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2005年11月 2日 (水)

読書の秋

「読書の秋」というが、ほんとに秋は読書に向いている。
私の好きな夏は、外に出て太陽を浴びる季節で、
頭の回転もあまりよくならないので、部屋の中で活字を追うには
向いていない。読書欲が高まるのはやはり涼しくなって、夜が長くなって
からだろう。


で、今日は『私の遠藤くん』(吉村達也・集英社文庫)を読んだ。
カバーのデザインと、何となく読みやすそうなのにひかれて買ったのだった。
いわゆる娯楽小説に属するもので、数時間で読み終えることができた。


本と言えば、私が中学校の時の社会科の先生が、読書を勧める人だった。
「本は安いですよ~」というのが彼の口癖で、350円でショートケーキも買えるが
岩波文庫も買える。(当時の物価はそんなものだったのだろう。)ショートケーキは
一瞬にしてなくなってしまうけれども、本を買えば一生残るし、教養も身につく。
というのが彼のいつもの話だった。それで、当時の生徒たちは岩波文庫や岩波新書
を読むというのがはやりのようになっていた。当時の私には難しすぎて、何が何だか、
という感じだった。彼らにしてもほんとうにわかって読んでいたのか、それともたんに
先生が言うから読んでいたのかわからない。


教育的配慮としては、「本>ショートケーキ」という彼の発言は適切なものだったのかも知れない。
しかし、あれから二十余年、大人になった私は、一切れのショートケーキが
この上なく人の心を幸せにする時間があるということもまた知っている。
この両方のことがわかってこそ、大人と言えるのではないだろうか。

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