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2007年3月 3日 (土)

哲学者・池田晶子さんが死去

今朝の新聞で、哲学者で文筆家の池田晶子さんが亡くなられたことを
知り、とても驚いた。

あまりに早すぎる。

最近お父様を癌で亡くされたということを、連載コラムで知っていたが、
それからほどなく、なんだか後を追うような、腎臓癌での他界だった。

連載中の週刊新潮の「人間自身」とサンデー毎日の「暮らしの哲学」は
ほぼ毎週立ち読みしていたが、ここ最近、かつてのようなキレがないなと
感じることも多く、それも体調から来るものだったのだろうか。

調子の良い時の池田さんの文章は、彼女が語っているというよりも、
真理自身が彼女の口を通して語っている、と思えるようなものだった。
それぐらい、エゴのない、透明なことばの数々であった。
「哲学の巫女」と呼ばれたゆえんである。

たえず生と死と宇宙のなぞについて考えていた方なので、
ご自分が亡くなるということについてはまったく驚いていないだろう。
むしろ、生前に語っておられたように、その一回切りのプロセスを
神秘として味わっていたかもしれない。

だが。

残された我々はとても寂しく思う。
いかなるイデオロギーや思想や宗教の立場に偏することなく、
常識の嘘を暴き続け、本当に何が大切なのか、自分自身の頭で考えたことを、
誰にでも分かることばで語り続けたあの文章が、もう読めなくなるなんて。

だからこそ思うのだ。
人が亡くなるというのは、文字通り、「あっ」という間なのだと。
だから、一期一会なのだと。

世間に哲学学者や思想家やイデオローグの類は数多いるが、自分の頭で
考え続け、自分のことばで語り続ける真正の哲学者は少ない。

だからこそ、もっと生きて、書き続けて欲しかった。

「心より、お悔やみ申し上げ、哀悼の意を捧げたいと思います」としか、
今は言いようがないのである。

合掌。

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» 人の死は悲しいのか  池田晶子の死  『人生のほんとう』  [試稿錯誤]
                                           「。。親しい人が死ぬと、当然「悲しい」という感情が起こります。ただ、なぜ悲しいのかなと少し距離を置いて考えてみると、おそらく第一に「もう会えない」という思いがあります。その次がたぶん、「かわいそう、気の毒だ」、「死んだひとは悲しいんじゃないか」、そういう思いもありますね。 でも、これはよく考えてみると、わからないんですよ。ひょっとしたらそれも思い込みではないかと考えることもできます。死んだ人が悲しい... [続きを読む]

受信: 2007年3月 5日 (月) 19:19

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