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2007年8月 7日 (火)

思ひ出3

夏本番。
クマゼミの声で目を覚ます毎日。
家では窓を全開にすると、山からの涼しい風が入ってくる。
今年は例年よりも暑さがましなようで、エアコン無しで過ごせそうだ。

この季節になると思い出す。
小学校高学年の頃、F木塾というところへ通っていた。
F木塾は地元では厳しくて難しいということで結構有名だった。
F木塾は古い民家の2階にあった。
時間がくると、児童は靴を脱いで狭い階段を上がっていくのだった。

あの時代だから、コピーなんかではなく、青焼きを使っていて、
灘やラ・サールなどの有名中学の難しい過去問がずらっと並んでいた。
児童は最初の数十分でそれを解き、提出し、先生が採点、その後で解説を聞く
という形式だった。
暑い夏、児童は体にも、頭にも、汗をかきながら難しい問題を解くのだ。

もうおじいちゃんといっていいぐらいの歳の先生が、夏はシャツにステテコという
姿で汗をかきながら解説する。部屋には首振りの扇風機が回っていた。
いかにも頑固で偏屈そうな爺さんの先生で、冗談一つ言わず全然面白くない
授業だった。それでも、(たぶん)T大卒(らしい)という経歴と、
過去に優秀な生徒を輩出した(優秀な生徒が通っていた)という実績のため、
父兄の間では口コミでとても評判が良く、教育熱心な親はF木塾に通わせたいと思うのだった。

もう30年近くも昔の話だから、あの先生はすでに他界されているだろうか。
私が中学校に上がった後に、名大卒の息子さんが跡を継いでいると聞いたけれども、
いまでも繁盛しているのだろうか。塾業界もとても競争が激しくなった。

暑い夏、セミの声、青い空、白い雲。そして首振り扇風機。
汗をかいてわけも分からぬまま難問と格闘していたあの頃を思い出したのだった。

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