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2007年10月27日 (土)

NHKプレミアム10 「ポアンカレ予想」

先日、NHKで、100年に亘って数学者を悩ませてきた「ポアンカレ予想」を
証明し、その後「失踪」したロシアの数学者、グレゴリー・ペレリマン(ペレルマンとも)
についてのドキュメント番組をやっていた。

多くの数学者がこの課題に挑んできたのだが、途中で挫折し方向転換を余儀なく
されたという。

しかし、ペレリマンは数学の知識だけではなく、物理学や化学など周辺分野の概念
をも動員して、この難問を解決したそうだ。そして、2006年のフィールズ賞に選ばれた
が辞退、その後謎の「失踪」を遂げたという。

番組では「失踪」と言われていたが、実際は母親と二人で、母親の年金でつつましく
生活しているらしいので、いわゆる「引きこもってしまった」という言い方の方が正確
なのではないだろうか。

ペレリマンは少年時代はとても快活で明るい性格だったらしいが、ポアンカレ予想に
取り組む中で、次第に殻に閉じこもるようになっていったという。
それほどの恐ろしい「重力」を、ポアンカレ予想は持っていたのだろう。

私はせいぜい高校ぐらいまでの数学しかわからないが、この番組を見ると、
高等数学とはもはや哲学の世界だと思った。5次元とか6次元とか、n次元とか、
実際には認識できない世界を扱うのだから。そしてまた、「宇宙」について問題に
するのだから。

自分の頭一つで考える、という点では哲学者も数学者も同じといえるかもしれない。
そして宇宙の神秘について考えるという点においても。

それにしてもペレリマンはなぜ引きこもってしまったのだろうか。
ポアンカレ予想の証明に全エネルギーを使い果たし、燃え尽きたのだろうか。
天才と○○○○は紙一重、というけれど、むべなるかな、と思わせられる。
俗世を超越した人であるのは確かだろう。

番組はとても面白かった。
こういう番組はやはりNHKでなければ作れないだろう。
「お笑い」ではない知的な「面白さ」を与えてくれる番組を今後もNHKには
作っていただきたいものだ。

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