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2019年12月 5日 (木)

さようならピアノ

ピアノの売却が正式に決まった。

母が他界してから、実家はごみ屋敷になり、負のパワースポットと化していたので、私もあまり寄りつきたくなかった。

空気はよどみ、数分間いるだけでのどがおかしくなるように感じた。

けれども、実家撤去に伴い、父がピアノを捨てると言い出してから、数回、惜しむようにピアノを弾きにいった。

これまでずっと弾きに行かなかったのに、まったく勝手なものだと自分でも思う。

40年以上も経過しているのに、ピッチは殆ど狂っていなくて、ヤマハというメーカーはほんとにすごいなと思った。

およそ藝術というものを理解しない父は、私がピアノを保管してほしいといっても金がかかるだけだといって拒否した。(母なら違っただろうと勝手に思うが、そんなことを言っても仕方ない。)

個人的に誰かに無償で譲ることも考えたが、運搬費やメンテナンス費もかかるだろうと思い、それよりは業者にきちんとメンテナンスして貰って、ほしい人に買って貰う方がいいだろうと考えた。

父は「売っても1万円ぐらいじゃろう」などと言っていたが、意外といい値段がついたのはありがたいことだった。

音楽家にとって楽器は自分の身体の一部である。だから、別れには痛みが伴う。

だから、査定が出てもなかなか具体的な日取りを決められなかった。

でももう大丈夫な気がする。動き出せば、あとはえい、やっと進めるだけだ。

音楽とピアノの好きな人に買ってもらって、たくさんたくさん弾いてもらってほしい。

私はあまりかわいがってあげられなかったので。

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