2019年12月13日 (金)

ライブアーチストとしての小田和正

実は、オフコースを知った頃、このバンドはライブ向けではないと思っていた。

多重録音で音を重ねてレコーディングをしているので、ライブでは音が薄くなるし、それほど上手ではないと思っていた。

小田さんがソロになった頃も、オフコースはコーラスで売っているのに、そろになったらだめなんじゃないか、と思った。

しかし、全部間違っていた。

小田さんはソロアーティストとして大活躍、そのコンサートは払ったお金の分だけ、いやそれ以上の満足感をオーディエンスに与えるさまざまな創意工夫がなされていた。音楽的クオリティの高さは言わずもがなである。

かつての自分の不明を恥じる。

小田和正は、「オフコースの」がつかなくても、ものすごい底力を秘めたアーチストだったのだ。

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小田さんの最近のCDを聴いて

小田さんのアルバム『どーも』と、マキシシングル『この道を~小さな風景』を一通り聴いてみた。

思ったのは、これまで以上に、過去を振り返る歌詩、それも、これまでの人生を振り返ってその総仕上げをするような歌詩が多かったということだ。そして、曲調も、人生を感じさせる壮大なスケールの曲が多かったように思う。

それはそうだ、小田さんも72歳だもの。あまりこういう言葉は使いたくないが、人生の晩年期にさしかかっていると言っても間違いではないだろう。でも、それは当然寂しくもある。

こういうCDを出していたからこそ、ファンやそうでもない人も、何かを察してチケットが取りにくくなったということもあるのだろう。

でもまだまだ歌い続けてほしい。

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2019年12月12日 (木)

小田和正『どーも』を聴いた

実はこのアルバムが出た時、あまり食指が動かなかった。一体何してたんだろう、と思う。こんなに素晴らしいアルバムだったのに。

『そうかな』が期待したほどではなかったからだろうか。Casiopea3rdとか、そっちの方に興味が行ってしまってたからだろうか。

”ENCORE!!ENCORE!!”を見てから、これは聴かなきゃいけないと思って急いで買ったのだった。

そして、この数年の間に小田さんがこれほど進化していたということに、素直に驚いたのだった。

実は私は、小田和正は歌詞にそれほど重きを置いていないのだと思い込んでいた。浅はかな偏見だった。

昔、オフコースを聴いていた頃、楽曲は素晴らしいのだが、歌詞がペシミスティックで、抽象的で、オフコースは楽曲中心のグループで、歌詞は刺し身のつま?みたいなものなんではないか、と思い込んでしまったのであった。それはたとえば、アリスの谷村新司の作る歌詞がドラマティックに人生を歌っているのと対照させて、ということだった。

だがそれから幾星霜。

しかもこのわずか数年の間に、小田和正という人がこれほど人生の深さ、普遍的な愛とか許しとか、そういうものまで歌うようになっていたとは。

いや、元々昔からそういう人だったのかもしれない。私が見逃していたというか、私のアンテナにかからなかっただけのことなのかもしれない。

なぜなら、鈴木さんが歌詞を外注することはあっても、小田さんは絶対にそれはしなかったからだ。

とりわけ、「さよならは言わない」「今日もどこかで」は、歴史的な名曲だと思った。

楽曲の素晴らしさに加えて、歌詞の素晴らしさが尋常ではない。

特に、「さよならは言わない」は、涙なくしては聴くことができない。

どうして今まで、この歌をしらなかったのだろう、と、我が不明を恥じる。

『個人主義』『そうかな』と聴いてきて、小田さんマンネリ化してるなあ、行き詰まってるんじゃないかなあと少しでも思った私は馬鹿だった。

さにあらず、それどころか、ものすごい進化、深化を遂げていたのであった。

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2019年12月10日 (火)

最近の小田さんの曲

実は”ENCORE!!ENCORE!!”で初めて聴いた曲もある。

『個人主義』『そうかな』の後、小田さんのアルバムを買っていなかったのだが、最近の小田さんの音使いは少し変わってきたなと思った。

『個人主義』や『そうかな』では、フォーキーな感じの曲が散見されたのだが、最近の曲は少し洋楽的になっているなと思った。以前の小田さんなら、こういうコードやこういう音を使わなかったなというような。それが、とても新鮮だった。

小田和正の音楽は進化し続けるのだろうと思った。

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”ENCORE!!ENCORE!!”小田和正に見る王者の風格

小田さんの”ENCORE!!ENCORE!!”は、その辺の普通のライブビデオとは違っていた。

どういう表現が適当なのだろうかといろいろ考えたのだが、「王者の風格」という言葉が最もふさわしいのではないかと思った。

けっして楽そうには見えなかった。それでも頑張って声を出している。頑張って走っている。

そこに、半世紀の間この業界でやってきた人の「凄み」を感じた。画面からでさえその「氣」というかオーラというか、そういうものを感じた。

小田さんも決して若くないなと思ったが、そりゃそうだ、72歳だもの。そういう年齢になって、若い時にはなかったような凄みというのか重みというのか、そういうものを増しているなと思った。

こういう言い方は失礼になるのかもしれないが、年老いたライオンは、年老いていてもライオンとしての風格があり、威厳がある。そういうものを感じた。

小田さんはこれまで、出会いがあれば別れが必ずあることを歌ってきた。

そのことの避けがたく重い意味がずっしりと心に迫ってくる、そんなライブビデオだった。

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2019年12月 9日 (月)

小田さんと政治

小田さんが賢明だと思うのは、生々しい政治的なマターについて一切口出ししないことだ。

小田さんは全共闘世代だし、かつては朝日新聞やTBSなどのメディアに好んで出ていた。また、「the flag」などの歌詞から、小田さんは左翼的な思想の持ち主ではないかと勝手に解釈する人もいるようだ。

しかし、かつて何のインタビューだったか忘れたが、小田さんが憲法改正に言及したことがあって、インタビュアーに「小田さんは改憲論者ですか?」と突っ込まれていたのを覚えている。だから、小田さんがどういう政治思想の持ち主かは本当のところわからないし、わからない方がいい。

そんなことで小田さんの音楽の価値は変わらないし、何よりも夢を売る商売だからだ。それは小田さんが一番よくわかっていて、いろいろ言いたいことはあるんだろうけど、ぎりぎりのラインで歌詞に入れるとか、そういう節度をわきまえているのだと思う。

小田さんのファンには、それはいろんな人がいて、左の人もいれば右の人もいるだろう。すべての人が小田さんの歌を楽しむことができるというのが一番いいのだと、それは小田さんが一番よくわかっているのだと思う。

生々しい現実的な政治の話をすれば、夢が壊れてしまう。

夢を売るプロフェッショナル中のプロフェッショナルである小田さんがそんな愚かなことをするはずがない。そこがまた、私が小田さんを好きな理由でもある。

そしてこれからも、小田さんは夢を売るプロフェッショナルであってほしいと思う。

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ブルーレイ”ENCORE!! ENCORE!!”追記 プロフェッショナルとしての小田さん

前回の記事に追記。

小田和正という人間は、プロ中のプロだと思う。

そのステージは計算され尽くされ、足を運んだ人すべてが、その対価に見合うだけの、いや、それ以上の満足感、を感じるように作り込まれていると思う。

小田さんには子供がいない。『さらば青春の時』でのアリスの矢沢透と、オフコースの鈴木さんとの鼎談を読めばわかるのだが、小田さんは子供を作らない主義の人なのだそうだ。かつて私は、そういうことに対して疑問を感じたこともあったのだけれども、小田さんの「子供」は小田さんの作品すべてなのだし、家庭や子育てで消耗するであろうエネルギーをすべて、仕事(音楽)に傾注している、根っからの仕事人間、プロフェッショナルなんだと思った。そして、その愛情を、ファンすべてに注いでくれているのだ、と、ブルーレイを見ながら思った。それは、良し悪しではなくて、天が、そういう人間として、小田和正をこの世に遣わしたのだと思っている。

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小田和正”ENCORE!! ENCORE!!"(ブルーレイ)を観た

小田さんの”ENCORE!! ENCORE!!”というブルーレイを、ようやく観ることができた。

とても良かった。感動した。

小田さんを中心とした会場の一体感、熱気というものが伝わってきて、小田さんの世界にどっぷりと浸ることができた。

皿洗いをしながらの視聴であったにもかかわらず、その世界に浸って、感動して泣いてしまった。

ブルーレイでさえ、こうなのだから実際にコンサート会場にいたら、どれだけ感動したことだろうか。

それは、何物にも代えがたい「心の栄養」になるだろうと思う。

もう最近は小田さんのコンサートチケットは取りづらくなってしまったけれども、まだそれほど争奪戦が過熱していなかった90年代後半~00年代前半にかけて、何度か小田さんのコンサートに行った時のこと、あの時の熱気と感動とを思い出した。

今、チケット不正転売が問題になっているけれども、このツアーでも小田さんのチケットがネットで高額で売られているのを見た。行きたい人が本当に行けるように、取り締まりを強化してほしいものだと思う。

話を本筋に戻す。

それにしても、こういう世界を作り上げることのできる小田和正という人間は、本当にすごいと思う。私には、人々に感動を与えるために、天が、小田和正という人間を、「選んだ」のだと思える。

私が小学生の頃、オフコースと言っても、「オフコースって何?」という感じだった。けれどもそれから数十年、小田和正という人物は、押しも押されもせぬ、大御所と呼ぶにふさわしい人間になった。かつては線の細い声質と思っていたところもあったが、太さ、迫力、安定感が増していった。今もし小田さんの歌のことを悪く言う人がいるとすれば、それは音楽というものを、藝術というものを解さない人だと思う。

それにしても。

このブルーレイを見ながら、小田さんももう若くはないんだということを感じざるを得なかった。ライブ後半になればなるほど、声が出るようになってきていたが、前半はつらそうな感じも少しあったように見えた。表情も、当然だけれども、15年前とは違う。

物事には必ず終わりがあるし、小田さんのことだから、自分の満足できるステージができないと思った時、マイクを置くのだろうとは思うけれども、できるだけその時は来てほしくない。できるだけ長く長く、歌い続けてほしい。

そう思うのだ。

以上とりあえずの走り書きの感想。

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2019年8月26日 (月)

アリスを聴いてオフコースのことを思った

たまに、聴きたくなるアリス。

オフコースと出会ったのも、アリスの「ジョニーの子守唄」が入ったオムニバスのカセットを買ったことからだった。

アリスは演歌っぽい、オフコースは垢抜けていて洋楽的。上品で洒落ている。

そんなアリスの歌を聴いていて思った。

オフコースが解散せざるを得なかったのは、やはり、プロモーション戦略が間違っていたからだと。

『Give up』という本にも書かれているが、プロモーションマネージャーが、まずは小田和正という人物を前面に立てる。それから順に、メンバー一人一人にスポットを当てていく、という戦略を立てた。

私は、それは間違いであったし、それが原因でオフコースの不和が生じたと思う。

「さよなら」以前、鈴木康博氏は、バンドの中で小田さんと同じぐらいの存在感があった。アルバムの中においても、小田さんに勝るとも劣らない、佳曲を提供していた。

「ランナウェイ」や「潮の香り」、「恋を抱きしめよう」なんかは、A面にしても十分通用する楽曲であった。

にもかかわらず、プロモーションにおいて、小田さんの曲ばかりをA面にしたのは間違いだったと思う。

ここが、アリスとオフコースの違いなのだ。

アリスは、谷村新司と堀内孝雄の曲をほぼ交互にA面にしてきた。

聴く者にとっても、違ったテイスト、違った個性の歌を、交互に楽しむことができた。

これは売り方としてとても良かったと思う。

確かに小田さんは素晴らしいが、小田和正のソロは、やっぱり単色なのだ。

アリスついでに言うと、『さらば青春のとき』という、アリスの本に、オフコース二人が矢沢透氏との鼎談で登場している。

その中で、オフコースの二人が、矢沢透の引き抜きを本気で考えたということを語っている。

確かに、矢沢透の音楽性は、アリスではなく、オフコースのように洋楽的なのだ。

もしも、この画策が成功して、オフコースが小田、鈴木、矢沢の三人だったら。

矢沢が絶妙なバランサー役を果たして、オフコースは崩壊を免れたのではないか。

そんな風に思えてならないのだった。

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2018年11月16日 (金)

ヤスさんの名曲

オフコースは、やはり小田さんとヤスさんあってのオフコースなんだと思う。

ヤスさんの曲にも名曲は多く、それはオフコースの中で確たる地位を占めていると思う。

で、思いつくままに、ヤスさんの曲の中で名曲と言えるものを列挙していきたい。

「でももう花はいらない」
『僕の贈り物』所収、文句ない名曲だと思う。そして初期のオフコースの代表曲だと言ってもよい。『秋ゆく街で』の中で、小田さんが感極まって歌えなくなるシーンがある。

「のがすなチャンスを」
『この道をゆけば』所収。後に、ハードなロックのアレンジがされていて、それもこの曲にとても合っているなと思った。バンドでのアレンジは、この曲に新しい命を与えたのではないだろうか。

「潮の香り」
『JUNKTION』所収。当ブログ「名曲覚え書き」でも取り上げた。何しろこのコード進行はすごい。よくこんなコード進行を思いついたものだと思う。これも、中期オフコースの代表曲だと思う。

「ロンド」
シングル。ドラマの挿入歌だったらしいが、私はFMラジオでこの曲を知った。ヤスさんの代表曲だと思う。「母」をテーマにした歌詞で、なんかすごくいい。これも中期オフコースの代表曲だと思う。

「恋を抱きしめよう」
『Three and Two』所収。軽快な曲で、ヤスさんの面目躍如だと思う。とても好きな曲です。私はこの曲をFMラジオで知った。「風に吹かれて」のB面だが、小田さんの曲とは好対照で、両A面でもいいと思う。

とりあえず、今日はここまで。

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