パニック発作と管楽器
私が音楽専門学校で本格的に管楽器をやってみようと思ったのは、
約5年前にパニック発作に見舞われたことが大きな契機だった。
いろいろなことで知らず知らずのうちにストレスがたまっていたのだろう。
人は必ず死ぬということも強く意識した。
ならば自分の好きなことを、思い切り、人生に悔いの残らないように
やってみようと思ったのだった。幸い、周囲の状況もそれを許してくれた。
正直、音楽ができれば楽器は何でも良かった。
しかし、一番好きだったドラムは、セロトニンの減少した脳にはダメージが
強すぎたし、一番好きなことで挫折したら、という恐れもあった。
結局、管楽器を選んだが、それはとても正解だったと思っている。
腹式呼吸、息をゆっくりと長く吐くということを、この楽器は必然的に
要求する。この呼吸法を身につけたということは、私の健康にとっては
とても良いことだった。
管楽器というのはリハビリには最適なのだろうか。
思えばデビッドサンボーンも小児麻痺の後遺症のリハビリのために
サックスを始めたという。
近頃では「音楽療法」なる言葉も頻繁に耳にするようになった。
そういう仰々しいことを言わずとも、音楽とともに過ごし、楽器を演奏する
ということは、私にとってこの上ない療法となっている。
そういう意味から言えば、末永く音楽とともに、楽器とともに過ごすというのが
私と音楽との一番よい付き合い方なのだろうと思う。欲は出さない方がよい。
転地してからは、幸い発作には見舞われていない。
音楽に一生懸命になったお陰、また管楽器をやるようになったおかげであると
思っている。
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